職人のこだわり
うなぎにこだわる ~国内産最高級品種~
江口商店で扱ううなぎはすべて国内産。それも最高級品種のアンギラ・ジャポニカ(日本うなぎ)のみ。四国の徳島や九州の鹿児島、宮崎、熊本の地から仕入れています。
仕入れの目安は…
「うなぎ仕入れ先の人間性」
雑な人から育てられたうなぎはいい加減で、逆に愛情を注がれたうなぎは脂がほどよくのり、繊細で弾力のある軟らかな肉質もいい。だから池の主を見る。シラス(うなぎの稚魚)を短期間で大きくし、早く出荷するために、特別な薬品をエサに混ぜたりすることもある。これだと味も落ち、人間にもいい結果をもたらさない。天然物も扱うが、信頼できる生産者から仕入れるウナギの品質は極めて高く柳川ブランドのうなぎの信用を支えています。
【頑固職人の一言】
『街の料理屋さんでウナギを食べるときには、
”このうなぎ、日本産のアンギラ・ジャポニカ種ですか?”
と尋ねてみるといいですよ。たまにはぎょっとする料理屋さんもあるかもしれないね』
水づくり ~水がうなぎの品質を決める~
俗に「日本のうなぎは餌臭い、台湾うなぎは泥臭い、中国うなぎはカビ臭い」と言われています。これには養殖池の水質が大きく影響しており、泥だらけの池で育ったうなぎは泥臭くなるといいます。
仕入後の水の管理も重要。江口商店のうなぎ管理は「立てこみ」という手法で行われている。江口商店で使っている地下水はミネラル分がたっぷり含まれています。この水を籠の上から流し込んでやると、ミネラルをゆっくり体に吸収したうなぎは健康になり、身も引き締まってきます。
【頑固職人の一言】
『ここの地下水にはミネラルが沢山含まれています。
エサを与えずに、ミネラル分だけで育てたうなぎが一年半も生きたことがあります。 ひょっとしたらギネスブック入りするかもしれないですね(笑)』
備長炭 ~裂き三年、焼き一生~
国産うなぎを仕入れ、落とし水にもこだわり、さらにこだわっているのは焼きのための備長炭である。クヌギなど柔らかい木の備長炭ではなく、更に高級で硬いうばめ樫の備長炭だけを使っています。
備長炭は火力が強く、遠赤外線効果で、食材のうまみを逃がさず、美味しく焼き上げてくれる。火が通った備長炭は1000℃にまで達し、焼き網の表面は800℃。近寄って備長炭の上に手を差し出しただけで、火傷しそうなほど熱いく、高温、短時間で焼き上げれば、身がぎゅっと縮まって旨みが閉じ込められ、炭に落ちた脂は燻煙と共にたち上ってウナギに絡みつき、香ばしさも違う。しかも中の身はふわっと軟らかく焼きあがります。
うなぎの謎
うなぎは謎の多い、不思議な生き物である。
一つは淡水でも、海水でも泳ぎ回り、仮に空気中でも体が濡れてさえいれば長時間、生き続けることができる。
二つは川で育ち、海で産卵する。 秋に産卵の場を求めて、川下りを始め、マリアナ諸島やフィリピン諸島の海域まで約二千キロの長旅をする。
三つは地球上に人間が登場するはるか以前の、一億年前の白亜紀に登場して生き続けている。